ニオイを気にする40代増殖中、冬でも85.8%の女性が気にしている!

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(出所 マンダムHP)

「ニオイ」の調査研究に定評あるマンダム。40才からの男性のニオイに着目した「ルシード ニオイケアシリーズ」の販売が、2013年の発売から右肩上がりで伸びている。同社は50代以降本格化する加齢臭より前に気になり始める40才ごろからの“油っぽいにおい”を発見。「ミドル脂臭」と名付けた。ミドル脂臭は一般的な汗臭や加齢臭と違う第3のニオイ。後頭部や首の後ろ周辺から発することも判明した。

マンダムが「ミドル脂臭」の原因成分が、頭部とその周辺から発生する「ジアセチル」であることを、独自の解析手法により世界で初めて明らかにしたのが2013年。

■マンダム、ミドル男性に発生するニオイ成分を特定
http://www.mandom.co.jp/release/2013/src/2013111802.pdf

これまで中年男性のニオイは加齢臭でひとくくりにされてきた。これまで知られていた、 ワキのニオイを中心とする汗臭、50 歳代以降顕著化する加齢臭の他に「ミドル脂臭」というミドル男性の主要な体臭の存在が明らかにしたことで、対策の必要性を「自分ごと」として認識、売上増につながっている訳だ。

そこで、後頭部から発するため男性本人が気づきにくいこと、女性の方がそのニオイに気づきやすいため不快感を与えることなどを説明する等、「ミドル脂臭」の啓発を押し進めている。

■LUCIDO(ルシード)40才からの「ニオイ」(デオドラント)
http://www.lucido.jp/library/smell/

マンダムは男性用グルーミングブランド「ルシード」で昨年8月から、「40才からの」とターゲット層を明確にしたプロモーションを展開し、ニオイケアシリーズの商品を中心に売り上げを伸ばしている。

日本経済新聞は、「冬でも85.8%の女性が気になる30~40代男性のニオイ」といった調査リリースを多用し、ウェブメディアを通じて拡散した。一方で「20代・30代女性の53%が、40代以上の男性に引かれる」といった調査も手がけ、男性側のニオイケアに取り組む意欲を引き出した、という分析を紹介している。

啓蒙活動が奏功し、ルシードのブランド全体の売り上げは、2010年前後のボトムから約60%増加し、過去最高の売り上げを達成。現在の40代は若者時代に無香料のコンセプトを支持していた。ミドル世代になった今、ブランド化に成功したユニークな事例といえる。

ニオイを意識した戦略に、各社も積極的に取り組み始めた。国内最大手のタクシー会社である日本交通株式会社と、車専用消臭芳香剤シェアNo.1の『ファブリーズ クルマ イージークリップ』を販売するプロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン株式会社は共同で、業界初の消臭されたクサくないタクシーを利用者がアプリで選んで乗れる 「ファブタク」サービスを、2016年8月30日(火)から2016年9月29日(木)まで、全国1万3,500台で展開を始めたとの発表があった。

●<業界初!クサくないタクシーが選べる「ファブタク」1万3,500台全国で走行開始 | 共同通信PRワイヤー>
http://goo.gl/9R2rg4

ところで、「ニオイ」の感覚である嗅覚は、身近な感覚ではあるが、その仕組みに注目が集まったのはごくごく最近のことである。きっかけは1991年に発表された米国の研究者、リンダ・バックとリチャード・アクセルによる嗅覚の仕組みに関する論文。 ニオイが嗅覚から脳へ神経伝達されることを証明した研究は、2004年にノーベル生理学・医学賞を受賞している。

ここ10数年で「ニオイ」は急速に明らかになっているのだ。

とはいえ、病気には特有のニオイがあることが、昔から知られているのも事実。例えば、イギリスの哲学者フランシス・ベーコンは、ヨーロッパで流行したペスト(黒死病)について『腐った柔らかいリンゴのようなにおいだ』と書き残している。感覚的に分かっていた事が、いま急速に科学的に立証されている、ということだ。

具体的には、見る(視覚)・聞く(聴覚)・味わう(味覚)・触る(触覚)などの他の感覚は、脳の視床を経て大脳皮質の視覚野・聴覚野などに伝達されるが、嗅覚だけは大脳辺縁系に直結していることが明らかになった。嗅覚は人間の五感の中で特殊な感覚だということだ。

大脳辺縁系は、食欲、性欲、意欲などの本能や喜怒哀楽といった感情を司る役割を持っているため「本能・感情の脳」と言われている。

だからであろう、最近の研究においては、ニオイに敏感な人は感情にも敏感であるとの発表も出てきた。考えるより前に、本能的に、感情的に無意識に相手のニオイを感じ取り判断してしまうということなのだ。

『幸せを引き寄せる「香り」の習慣』(幻冬社刊)の著書成田麻衣子氏は、著書の中で「人間が持つ五感の中で、嗅覚は“感情に直接アクセスする”ことができる感覚。いいニオイは心を整え、生きていくための安全を確保し、言ってしまえば人生を変えるくらいの力があるものだ」と説いている。

「ニオイ」をもっと意識して使いこなすことで直観力が高まり、恋愛やビジネスでも幸せを勝ち取ることができるということだ。では普段から何を気にしたらいいのか。

一つには「食生活」が挙げられる。食事からの脂質の摂取量が多いと、内臓脂肪・皮下脂肪・血液中の脂質が増え、結果として皮膚から分泌される皮脂も増えてしまう。皮脂が多くなり過ぎると、皮脂が酸化された時のニオイも強くなってしまう。脂肪の多い肉類やバター・生クリーム、また揚げ物やスナック菓子には注意が必要かもしれない。

また、炭水化物抜きの食生活は、腸内環境の悪化を招き体臭の原因となるとも言われている。腸内に存在するビフィズスや乳酸菌などの善玉菌の餌となる糖質が不足してしまい、アンモニアや硫化水素などの強いニオイを発する悪玉菌が増殖してしまうからだ。

ピーマン等に含まれるβ-カロテン、トマトに含まれるリコピンなどの抗酸化物質は、体内での脂質の酸化を抑え、納豆・卵・ししゃもといったビタミンB2を含む食品には、脂質の代謝を促す作用がある。

食生活の見直しこそ、ニオイを武器にする最初の一歩。他人に「私のニオイ、良くなった?」となかなか確認出来ないからこそ、自ら行動出来る事は積極的に取り入れておきたいものだ。

(文責 工藤みずき・ くどうみずき)